妻にセックスを拒否されると、「自分はもう必要とされていないのでは?」と、深い悲しみやつらさに頭を抱えることでしょう。

この記事を読んでいるあなたは、セックスを拒否されるたびに自信を失い、心にぽっかり穴が空いた抜け殻のような状態になっているかもしれません。「もう諦めるしかないのか」「子どもがいるのに離婚すべきか」と、崖っぷちの選択肢に迫られていることでしょう。

それぐらいパートナーからセックスを拒否されるのは辛いものです。別れるのも、もう一度誘うのも、とてつもない勇気のいること。であればもう一度妻側の気持ちをよく理解し、セックスレス解消の道を選んでみませんか。

本記事では心理学のスペシャリストである公認心理師、臨床心理士と、女性のホルモンバランスに詳しい産婦人科医監修のもと、妻がセックスを拒否する理由やレス解消に向けての行動を解説します。

監修者 中村小春
公認心理師・臨床心理士

カウンセラーとしての相談件数は、8600件以上。大学院卒業後、教育業界で不登校・虐待に関する案件、発達障害の就労支援や、法人でのメンタルヘルスマネジメントなどの研修を担当。教育機関での経験や自身の不妊治療、出産を経て、パートナーシップの大切さを痛感。現在は、恋愛・夫婦関係改善の専門家・カウンセラーとして活動中。日本心理臨床学会 や東京都公認心理師会 、臨床心理士資格認定協会に所属。

監修者 阿部一也
産婦人科医師

医師、日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では、PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療。 

    執筆者
    ふうふの相談窓口

    ふうふのマガジン編集部では、公認心理師・臨床心理士の監修のもと、夫婦関係・セックスレス・に関するテーマで情報発信をしています。Webコンテンツディレクターとして1,000本以上の記事を執筆してきた経験をもとに、見やすさ、わかりやすさを心掛けています。

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      【これが本音】妻が拒否して辛い…セックスレス化する理由

      子どもがいるから

      妻がセックスを拒否してしまう理由として多い傾向にあるのが、子どもによる理由です。

      とくに子どもが小さいうちは、昼夜を問わずミルクをあげたり、おむつ交換をしたり、夜泣きの対応をしたりと、常に子どもが中心の生活になります。

      慣れない育児で睡眠不足や身体の疲れが蓄積し、精神的にも余裕がなくなり、セックスを考えるどころではないのかもしれません。また、子どもが少し成長して、「子どもに見られたらどうしよう」「子どもの目が気になる」といった理由でスキンシップを避けるようになり、自然と夫婦の触れ合いが減るケースもあります。

      結果的に夫婦間のスキンシップは後回しになりがちで、妻側は「気持ちはあるけれど、疲れていてそんな気分には慣れない」とレス状態が進行します。

      中村小春
      公認心理師・臨床心理士

      子どもが生まれると一時的に母としての本能が働き、父でもある夫にすら敵対心を抱いたり、子どもを優先するあまり夫婦の関係が疎かになってしまったり、という話はよくあります。何を優先するのかは各々の家庭の方針ですが、子どもが健やかに、笑顔でいるためにも夫婦関係は良好であることが大切です。

      阿部一也
      産婦人科医師

      産後では女性はプロラクチンと呼ばれるホルモンが分泌されます。このホルモンは母乳を分泌させ、我が子を守るための作用をもたらします。しかし同時に卵巣機能を抑え、排卵を抑制するため、セックスへの関心が薄れやすくなります。産後は我が子中心の生活になりやすいですが、ホルモンは必要なために出ていますので、少しでも奥様を理解し支える姿勢が重要です。

      仕事で疲れているから

      仕事で疲れ切っているときも、セックスレスになる理由の1つです。

      結婚してからも社会で働く女性は、昼間は仕事、夜は家事・育児と多忙な毎日です。妻も生活費を稼ぐため、やりがいのある仕事だからと精一杯仕事をこなしています。

      共働きで家事を分担をしていたとしても、家に帰れば、炊事・洗濯・掃除など家事がたまっているのが現実です。翌日もやるべき事がたくさんあるのですから、疲れた体を少しでも回復させたいから、できるだけ早く眠りたいと思うでしょう。

      夫への愛情はあっても、疲れすぎて、セックスに応じる余裕がないのです。

      中村小春
      公認心理師・臨床心理士

      可能であれば、家事代行やベビーシッターを頼んで、ほんの少しの時間でも”やらなくてはいけないこと”から解放される時間を作ってあげてみてください。体が疲れている時は心も脳も疲れている場合がほとんどです。そういった煩雑なものから一歩離れることで改めて夫婦関係やパートナーとのことを考える余裕が生まれますよ。

      性欲がないから

      「食欲と性欲は同じ、コントロールできない本能である」といわれますが、女性は性欲が湧かないときがあります。

      出産後など、ホルモンバランスが大きく変化するとき、加齢により性欲に関係するホルモン「エストロゲン」が減少するとき性欲が減退します。育児の不安や悩みなどストレス過多でセックスへの関心が薄れてしまうこともあるでしょう。

      体力面で自信がない、また性交痛がある場合も、セックスを避けたい原因になります。

      適度な運動、十分な睡眠、栄養バランスを考えた食事など、健康的な生活習慣はついているでしょうか。病気であれば当然、性欲は湧かないですよね。一方的に自分の気持ちを押し通そうとせず、妻の健康にも目を向けていくことも重要です。

      阿部一也
      産婦人科医師

      産後のホルモン変動はさまざまですが、性欲に直結しやすいのはやはりエストロゲンの減少です。妊娠中はエストロゲンはたくさんありますが、出産を終えた途端に急激に減少します。この大きな変化が性欲を減退させる原因にもなります。腟の乾燥や委縮を起こしやすく、行為に及んだとしても痛みを感じるため、セックスへの関心が薄れやすくなることも。「なぜ?」と無理に迫るのではなく、奥様のことを思いやる気持ちでサポートすることが大事です。

      旦那に対して性的な魅力を感じないから

      性的な魅力を感じなくなると、セックスを拒否したくなります。

      恋愛時代や結婚したころと比べると、体系や容姿は変わっていないでしょうか。

      よく「幸せ太り」と言われますが、結婚後体型を気にせず太ったり、服装や髪型などに気を使わなくなったりして、見た目がマイナスに変わってしまった旦那には、魅力を感じなくなります。

      外見だけではありません。妻への接し方、優しさや思いやりなどが少なくなっていませんか。関係性に慣れすぎて男と女の緊張感が薄れ、ドキドキするときめきがなくなっていませんか。 

      一緒に生活する中で、夫の欠点が見えてくることは多々あります。だらしなさや、清潔感がないなど、嫌悪感を抱いてしまうと、肌を触れ合うことに抵抗を感じます。

      体だけ求められていると感じるから

      欲望の発散のために体だけ求めてきていると感じると、女性はセックスを拒否したい気持ちになります。

      そもそも男性と女性のセックスへの考え方は違います。

      女性にとっては、セックスは愛情の現れであり、お互いの感情をつなぐコミュニケーションの一つです。お互いの気持ちを確認しあうことが大事なのです。日頃から家事や育児は妻に任せっきり、親類や近所付き合いなど面倒な事もしたがらない夫には不満を持っています。

      自分はこんなに苦労しているのに、家族のために尽くしているのに、夫は気持ちいいことだけねだってくるなんて、と不満を持ちながらのセックスでは、夫への愛情は冷めてしまいます。

      体目的、性欲を満たすだけの存在では嫌になります。妻は、セックスを拒否する気持ちを分かってほしいと思っています。

      中村小春
      公認心理師・臨床心理士

      ”夫婦の夜のセックスは、朝の「おはよう」から始まっている”と言われることがあります。つまり、セックスは体を触れ合わせる行為だけではなく、日常のコミュニケーションや相手を思いやる気持ち、言葉がけが積み重なって初めて成り立つということです。この感覚を男性はなかなか理解できない方が多く、妻が拒否している理由がわからないと悩まれるパターンが多いです。

      異性ではなく家族として見るように変化したから

      結婚すると、恋愛感情は減少し、夫を異性として見れないという意見もあります。

      理由としては、性的関係を維持することより、家族としての絆を深めていくほうが妻にとって大切になるからです。生活を共にしていく中で、さまざまなできごとを夫婦は乗り越えていくことになります。

      子供が生まれたら、パパやママとして家族の役割を果たすことがメインですよね。

      仕事もまじめにするし、家事の手伝いもする、子供と遊んでくれて申し分のない夫として認めているからこそ、家族愛は深まっていきます。

      あなたと家族になれてよかった、これからもずっと家族でいたい、でも性的な対象としては見れなくなってしまったという声は多いものです。

      中村小春
      公認心理師・臨床心理士

      家族として感じる信頼や絆を深めるときに出るホルモンと、性的対象として相手を求めるホルモンは異なります。この2種類のホルモンを両立させることは難しいですが、夫婦関係を構築していく中で、両方を使ってセックスを成り立たせていくことは可能です。

      阿部一也
      産婦人科医師

      人は恋人関係にある時はドーパミン、ノルアドレナリンやフェニルエチルアミンなどのホルモンが分泌しているとされます。恋のときめきやドキドキ感をもたらし、フェニルエチルアミンは恋愛初期に分泌され、幸福感をもたらします。刺激的で興奮しやすい特徴もあります。一方で夫婦関係になると、分泌されるホルモンが異なり、オキシトシンやバソプレシンなど分泌するようになります。信頼関係など長期的な関係を築く上で重要とされ、とくにオキシトシンは安定した愛・絆を形成します。

      妻がセックスを拒否した場合のレス改善策

      妻側から拒否されている場合、具体的に次のようなレス改善策があります。

      • 本音を伝えてみる
      • 食事や出かける機会を増やし、コミュニケーションを取る
      • 外見を変えてみる
      • 第三者に相談してみる

      本音を伝えてみる

      夫婦の関係性が良好である場合は、思い切ってセックスレスで辛いことを打ち明けてみるのも一つの手段です。

      自分が腹を割って話すことで、妻も胸の内を聞かせてくれたら、お互いの気持ちが通じ合えるきっかけになるかもしれません。また本音を言うということは、自分の気持ちに向き合うことでもあります。

      「自分こんなことを思っていたんだ」「こんなに妻のことを愛していたんだ」と自分の内面に気づける機会ができます。そうなれば相手の視点に立つことができ、なぜレスになったのか俯瞰して考えられるようになるでしょう。

      中村小春
      公認心理師・臨床心理士

      人は思った以上に自分の価値観や思い込みで相手はこう思っているはずだと勝手に思ってしまている場合が多い傾向です。話してみると、全く違ったということがあるので、一人で完結せずに本音を言い合うことで思いがけず解決する場合がありますよ。

      食事や出かける機会を増やし、コミュニケーションを取る

      マンネリ化した日常から、環境を変えてみましょう。

      たとえば奥様を外食に誘ってみたり、少し変わったデートをしてみたりなど。少しだけ家事をする手を止めて、外で食事をすれば、夫婦でおしゃべりをする時間が作れます。

      休日には、映画や散歩、ドライブなどに出かけるのもいいですね。夫婦で同じ趣味を持っていれば、なおさら楽しく過ごせるでしょう。

      出かける機会を増やす目的は、夫婦間でのコミュニケーションを取ることです。外出して新しい刺激に触れれば、自然と話が弾むこともあるでしょう。

      思った以上にコミュニケーションが弾んで、意外な形でレスが解消したというきっかけもあります。

      阿部一也
      産婦人科医師

      恋愛関係から夫婦関係に移行すると、ドキドキするような感覚より、愛着・絆・信頼などの感覚に変化します。これもホルモン変化による影響です。産後であればオキシトシンの分泌で安心感・愛着・信頼を得るようになりますが、この時期ではご主人よりも我が子への関心が強くなります。このような場合では無理にセックスではなく、夫婦の時間を作ることが良いでしょう。共通の趣味で楽しむことで、よりコミュニケーションを得ることもでき、セックスレスが解消するかもしれません。

      外見を変えてみる

      ぼさぼさの頭、だらしない恰好で、身だしなみを整えることを忘れていないでしょうか。変わってしまった体型や容姿に思い当たる節があるなら、外見を少しでも整えてみるのも良いでしょう。

      爪や鼻毛を切るといった基本的な身だしなみは、毎日チェックします。ムダ毛を剃り、眉毛を整えるだけでも野暮ったい印象が消え、清潔感を出せます。

      髪型を変えてみるのもおすすめです。

      太ってしまったのなら、ジムに通う、自宅で筋トレするなどして、ダイエットにチャレンジします。健康的で引き締まった体は魅力的です。

      服装やスキンケア、あわせて口臭・体臭に気を付けることも大事です。すぐには変わらなくても、変えようと努力している姿に好感度がアップし、すぐにレス解消とはいかなくとも、徐々に徐々に夫婦の関係性が改善していく場合があります。

      中村小春
      公認心理師・臨床心理士

      たかが見た目、されど見た目。夫婦は1番気を許せる相手であると同時に、1番気を使う相手でもあります。1番大切で1番愛して欲しい人の前でこそ、カッコ付けて欲しいです。見た目を気を付けただけで、夫婦関係がグッと良くなったご夫婦はたくさんいらっしゃいますよ。

      第三者に相談してみる

      自分なりに考えて改善しようと思ったけれど、うまくいかない、だれかにアドバイスがほしいときは第三者に相談してみましょう。

      しかし、セックスは夫婦間のデリケートな部分なので、知っている人に話すのは気が引けたり、話しにくかったりしますよね。

      セックスレスに真剣に悩み、解決したいと望むなら、専門知識や技術を持ったカウンセラーにアドバイスを求めるのも一つの手段。

      ふうふの相談窓口では、セックスレスの問題を中心に、夫婦関係のあらゆる問題に関する相談を受け付けています。経験豊富な公認心理師・臨床心理士があなたの悩みに寄り添い、どうなりたいのかを真剣に考え、実現まで導きます。

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      セックスレスの解消法を真剣に考えてみた|改善のきっかけを20代〜50代の年代別でも紹介

      妻にセックスを拒否されたときに絶対にやってはいけないこと

      セックスレスでどんなに辛い思いをしていても、絶対にやってはいけないことがあります。

      • 強引に迫る
      • プレゼントやお金で釣る
      • モラハラをする

      強引に迫る

      性欲発散のために強引に迫るのはNGです。

      愛があっても強引な行為は、女性の気持ちを無視したことになります。夫婦だからセックスは当然と思われがちですが、夫婦間であっても「性的DV」といえます。

      「本当は嫌だけど我慢している」「辛いけど耐えるしかない」と妻は感じているかもしれません。それでは夫婦間の心の溝はますます深まっていくばかりです。

      セックスは二人で楽しむもの。男女で求めるものが違ったとしても、対等の立場で互いを尊重しあうことが大事です。

      YESかNOか妻の思いをきちんと思いを受け止め、相手の立場に寄り添い、自分良がりな態度を取らないことも大切です。

      中村小春
      公認心理師・臨床心理士

      セックスという繊細な行為だからこそ、強引に迫ってしまうと、相手のトラウマにもなり得ます。男性の方が圧倒的に力で強いため、女性は敵いません。女性は無力感と恐怖を感じ、それ以後の夫婦関係にも大きく影響してきてしまうため、絶対にNGです。

      プレゼントやお金で釣る

      プレゼントやお金で釣るのは、よくありません。「結局ものやお金でしか解決できないのか」と相手が冷める原因となります。

      プレゼントをもらってうれしいのはその場限り、単なるご機嫌取りです。下心が見えると、今までの信頼も愛も冷めることにつながります。

      見返りを求められるぐらいなら、セックスなんてしたくない思ってしまうでしょう。セックスレスの根本的な解決方法にはならないですね。

      人それぞれ価値基準は違いますし、妻に物や金銭をあげてはいけないわけではありません。喜ぶ顔が見たかった、仲よくしていたい、という気持ちを言葉にして伝えるとよいです。

      モラハラをする

      セックスレスで心を痛めているから、思い通りにならないからといってモラハラ行為はもってのほかです。

      屈辱的な中傷や侮辱など日常的に言葉の攻撃を受けた妻は自尊心を傷つけられ、自信を失ってしまいます。精神的に追いつめられ、継続的なダメージで、うつ病や不安障害、PDSDの症状を発症させてしまうこともあります。

      なぜセックスを拒むのか、どうしたら受け入れてくれるのか、2人でコミュニケーションを取る時間をとり、妻を責めるのではなく、理解し合えるように話し合うことです。

      まとめ|妻からセックスを拒否された時はカウンセラーに相談するのも一つの策

      本記事では妻側がセックスを拒否してレスになった際の理由や改善策をまとめました。

      セックスレスは非常に辛いものです。心は寂しく、なんだか虚しさでいっぱいな気持ちになってしまっている方もいるかもしれません、

      だからと言って、強引に迫ったり、短絡的に物やお金で釣ったりしても解決にはなりません。モラハラで精神的に深く傷つけてしまっては、夫婦関係自体が崩壊し離婚へと発展することになりかねません。

      もう自分ではどうしようもないと悩んだ時は、夫婦カウンセラーを頼ってみてはいかがでしょうか。

      「ふうふの相談窓口」では、経験豊富な公認心理師・臨床心理士があなたの悩みに寄り添い、どうなりたいかを大切にして、実現までサポートします。

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