「セックスレスだけど気にならない」という価値観を持つ夫婦は増えている傾向です。価値観が多様化している現代において、「セックスだけが愛じゃない」「しなくても好きな気持ちはある」という考えも出てくるでしょう。
とはいえ、「セックスレスを気にしないのは悪いこと?それとも問題ないの?」と不安を持つ方もいるはずです。
そこで本記事では、セックスレスだけど気にならないのはダメなのか、それとも問題ないのかというテーマで、専門家監修のもと解説します。
セックスレスだけど気にならないのは悪いことではない
セックスレスだけど気にならないのは悪いことではありません。
実際にセックスレスだけど、お互い愛し合い夫婦円満な生活を送っている方もいます。本章で理由を解説するので、ぜひご覧ください。
無理して性行為をすると心や体に悪影響が出る
性行為は、食事や睡眠と同じように、無理をして行うと身体に悪影響が出ることがあります。
たとえば、パートナーのために無理してセックスを行い、我慢によるストレスが引き金でパニック発作を起こすなどのケースです。次回セックスをする際にも、パニック発作が起きた過去のトラウマが原因で、震えやめまいを感じることもあります。
その結果として、セックスに対するうしろめたさが生まれ、次第にセックス自体を楽しめなくなってしまうこともあるでしょう。
何事においても無理は良くありません。セックスも例外ではなく、無理をすると心にも体に負担がかかります。セックスレスでも気にせず関係性が良好であれば、それは悪いことではなく、むしろ健康的な関係を築けているといえます。
性に対する価値観は人それぞれ
性に対する価値観は人それぞれです。
セックスをまったくしなくても気にならない人もいれば、毎日セックスしたいと考える人もいます。「セックスレスでも気にならない」というあなたの考えは、決して間違いではありません。もしその考えを大切にしたいのであれば、自分の価値観をしっかり持つべきともいえるでしょう。
しかし、あなたがセックスレスでも気にしなかったとしても、パートナーとの価値観のずれが生じる可能性がある点には注意が必要です。詳しくは、後述の「ただしセックスレスを気にしないことには例外がある」をご覧ください。
セックスレスでも仲が良い関係性の夫婦・カップルもいる
セックスレスでも仲が良い関係性を築いている夫婦やカップルも実際には多く実在しています。
こうした関係性を、世間では「友達夫婦」と表現し、聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
たとえば、同棲していて普段の中はとても良好。ご飯を一緒に食べたり、映画を見たり、楽しく過ごす時間を大切に。喧嘩もあまりなく、セックスレスであってもお互いのことを深く愛していて、幸せを感じている状態を指します。
レスでも仲がいい友達夫婦の特徴は、お互いの心や体の状態をよく理解し、価値観や意見を尊重し合っていることです。セックスレスであっても、お互いの仕事や肉体を気遣い、日常の中でキスやハグなどの愛情を表現をすることで、深い絆が育まれています。
その結果、セックスレスの状態でも心が満たされ、円満な関係性を実現できています。
ただしセックスレスを気にしないことには例外がある
これまで幾度もお伝えしたように、セックスレスを気にしないこと自体は決して悪いことではありません。
しかし、パートナーが相手の気持ちを気にして心の声を言えていない場合は例外です。
たとえば、パートナーとのコミュニケーションを避け、「セックスしなくても良いよね!」と一方的に決めてしまっているパターン。仲が良好な夫婦やカップルによくありがちで、2人の関係性において非常に危うい可能性があります。
言いたいことを言えず、心の中で不満を溜め込んでいると、後々その思いが爆発することがあります。「レスでも気にしないよ!って言ったけど…だけど本当はしたかったんだよね」と。相手のことを大切にしているばかり、言いたいことを言えていない事例はたくさんあります。
セックスレスでも気にせず、夫婦円満な関係性を築くのに重要なのは、お互いの心情を理解し合い、納得できる形を決めることです。パートナーの気持ちも聞かずに、「セックスしないことは普通」と無理に押し付けるのは危険です。
夫婦・カップルで何度もコミュニケーションを重ね、お互いが納得できる方針を決めることが、セックスレスでも理想な関係性を築く近道となります。
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パートナーがセックスレスを気にしている場合はお互いが納得のいく形を決める
パートナーがセックスレスを気にしている場合は、お互いが納得のいく形を決めるようにしましょう。
本章ではいくつかパターンを紹介します。片方はセックスレスでも気にならない、もう片方はセックスレスを気にしているという場合に、ぜひご活用ください。
パターン例①:週・月単位でセックスの主導権を交代する
夫婦・カップルの関係性には、どちらかが主導権を握っているパターンが多い傾向です。
たとえば、「妻の尻に敷かれている」という表現があるように、妻の意見に夫が従う形になっている夫婦関係が該当します。夫と妻のどちらか片方が主導権を握っている状態の場合、主導権側が「セックスレスでも気にしない」と発言したら、従う側は承諾してしまいます。
結果的に我慢する関係性になってしまい、夫婦関係は上手くいきません。
週単位や月単位でセックスの主導権を交代する方法を試してみると、関係性がよりバランスの取れたものになります。
1週間は夫が主導し、次の週は妻が主導するという形で交代することで、双方が満足できるセックスの形を見つけやすくなります。お互いが自分の意見を尊重し合い、経験しあい、セックスにおいて平等な関係を築きやすくなるでしょう。
パターン例②:相手の誘いに対して愛情表現を伝える・行動する
セックスは愛情表現の一つです。
パートナーがセックスをしたいと伝えてくれているのに、「疲れているからまた今度」や「こっちはしたくない」「レスでも良くない?」と一方的に拒否することは、円満な夫婦関係の実現のために避けるべきことです。
拒否されることで、パートナーの心は寂しく、穴が空いたような状態になり、満たされない気持ちが積み上がります。対話した結果、もしパートナーがセックスレスを気にしているのであれば、セックスができなくても愛情をしっかりと伝えることが大切です。
たとえば、パートナーがセックスを誘ってくれた際に、単に断るのではなく「ありがとう」「愛してるよ」という感謝の気持ちを言葉で伝えてみましょう。そして言葉だけでなく、キスやハグなどの行動を起こすことも重要。愛情を示すことが、パートナーの寂しさを解消する要因となります。
セックスレスが気にならない人によくある質問
セックスレスが気にならない人によくある質問をまとめました。
- セックスレスにならない夫婦・カップルの特徴は?
- セックスレスで寂しいときの対処法は?
セックスレスにならない夫婦・カップルの特徴は?
セックスレスにならない夫婦・カップルには、以下のような特徴があります。
- キスやハグなどのスキンシップを定期的にしている
- コミュニケーションの量が多い
- パートナーを尊敬している
- パートナーの体や心の変化に寄り添っている
また産後レスになりにくい夫婦は、「夫の性格・嗜好にあわせて立ち会い出産をNGとしている」傾向にもあります。
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セックスレスで寂しいときの対処法は?
大前提としてセックスレスによる寂しさは、性的な快感を得られず起こるものではありません。相手から拒絶されている、求められていないことにより、寂しさの気持ちが強くなる傾向です。
そのためレスの状態であれば相手をいきなり誘うのではなく、まずは話し合いをしてみたり、デートしてみたりなどのアクションを起こしてみるのがおすすめといえます。
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またカウンセリングを利用するのも効果的な方法です。人にありのままの感情をぶつけることで、寂しさを解消できます。
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まとめ
本記事では、「セックスレスだけど気にならない!悪いこと?いいこと?専門家が回答します!」というテーマで解説しました。
セックスレスを気にならない状態は悪いことではありません。お互いその状態を納得し、円満な夫婦生活を実現できているのであれば、何も問題はないでしょう。
しかし夫婦のどちらかに強い主導権がある場合(例:妻側)、レスの状態が嫌でも言いたいことを言えず(夫側)、話し合いに納得してしまっている場合があります。一旦はセックスレスを気にしないことに納得していたとしても、いずれ我慢に限界が来て、爆発してしまうでしょう。
そうならないためにも、対話を重ねることが重要です。夫婦カウンセリングサービスのふうふの相談窓口では、セックスレスに関する相談も受け付けています。
セックスレス問題で悩んでいる方は、ぜひご活用くださいませ。